CMカット機能「著作権法違反も」 日枝・民放連会長の記事を見たので、ちょっと反論?してみる。
まず上記記事の要約です。
日枝久・日本民間放送連盟会長(フジテレビジョン会長)が12日の記者会見で以下のように述べているようです。
- CMや見たくない場面を飛ばして番組を録画・再生することが著作権法違反の可能性がある。
- 対策を協議するため、民放連に研究部会を設けた。
- 「放送は1時間すべてが著作物と考える学者もいる。いろんな問題を含んでいる」
さて、ここで問題になっているのは、本音の部分では「広告を見てもらわないと困る」と言ったところなのでしょうが、法的な主張としては詳細は不明ながら以下のような所ではないかと思われます。
- テレビ番組は、広告も含めて一つの著作物である。
- テレビ番組を広告とその他などに分けるのは、著作人格権の同一性保持権に抵触する。
ちなみに、上記で著作人格権の問題であろうと私が考えているのは、個人が自分や家族で見るためにテレビ番組をビデオに撮るのは、私的使用のための複製であることから、著作財産権上は問題ないからです。(デジタル放送では、通常1回録画するのは問題ないと設定されていたはずです。)
テレビの広告は同じ番組でも地方によって違うことがあり、民放で放送された番組(ドラマ、アニメなど)がNHKなどで再放送された場合などは広告が削除され、逆の場合には広告が挿入されることもあります。これは、広告を含めた番組という著作物が一つのものであり、著作者はそれぞれの広告を承知の上で改変を許可したと考えるよりも、新聞・雑誌の記事と広告の関係と同様、そもそも別の著作物を放送局が必要に応じて時間順に並べていると考えるのが自然です。
そのため、私はCMを飛ばして番組を録画・再生することは、新聞から自分が重要と思った記事などを切り取って保管する新聞のスクラップと法的には同様の関係にあるのではないかと考えています。
新聞記事をスクラップする際は、通常、関係部分だけ切り取り他の部分は広告も含めて捨てます。後、意図してのことではありませんが、裏面の記事や広告を途中で切り取って「同一性保持権を侵害」しているかも知れません。
しかし、これらの行為は法律違反とされることがないばかりか、学校・先生によっては宿題にする場合もある行為であり、合法な行為です。
少なくとも、このような新聞のスクラップとの明確な違いを民放連が納得できるように説明するまでは、CMを飛ばして番組を録画・再生することは合法な行為と考えざるを得ません。
ちなみに、個人的にはCMも録画しておくことをおすすめします。後で見たいと思ってもなかなか見れませんからね。
私の手持ちのビデオには、今はなき新進党のCMがありますよ。
後、世の中にはたのみこむの提案の中に書かれているように、CMのみ録画してペ・ヨンジュン出演のCMを捜索したい人もいるようです。