この前、とあるお知り合いの方が「ラノベ作家が選挙に出るよ」と書いているのを見たので、どのような方が選挙に出るのか確認してみました。
宮崎タケシさんという方で、民主党公認で次の衆議院選挙に群馬1区より出馬することが内定しているとか。
鷲田 旌刀のペンネームで集英社のコバルト文庫から3冊の本を発刊していたようです。
ええと、私としては数点つっこみたいところが。
コバルト文庫ってライトノベルだっけ?
まず、気になったのは「コバルト文庫ってライトノベルだっけ?」です。
私の感覚ではコバルト文庫がライトノベルと言われるとなにやら違和感があったのですが、思い出してみるとここ10年以上コバルト文庫の新作を手に取ったことはなかったので、最近のコバルト文庫の作品は全然知らないのですよ。
この方は2001年度に集英社のロマン大賞佳作を受賞して書籍を刊行した方ですし、wikipediaではコバルト文庫について「近年はライトノベル系レーベルにも分類される」と書いてあります。ご本人の公式サイトである宮崎タケシ公式websiteにも「ライトノベルを出版していた」と書いてあるのでライトノベル作家なのでしょう。
コバルト文庫がライトノベルであることに驚きを覚えた今日この頃です。
どうやって候補者に?
著作は3冊、それも最後に作品を出したのが2004年ですから、事実上「元作家」でしょうし、ご本人には悪いのですがそもそもペンネームを聞いたことがないのですから、作家としての知名度で担いだわけではないでしょう。
どうも地元紙である上毛新聞社の記者としての活躍を背景として、民主党の新人候補者募集で合格したようですね。労組役員の経験もあったようで、その意味でも民主党的には担ぎやすい人材なのかも知れません。
あと、父親が前橋赤十字病院の院長である縁もあり、前橋市医師会の政治団体である前橋市医師連盟の推薦状がもらえるとか。(尾身氏と宮崎氏、両氏とも推薦 前橋市医師連盟(2008年10月25日 産経新聞))小選挙区制導入以降、前橋市医師連盟が自民党公認候補以外を推薦するのは初とのことですから、父親というのはありがたいものです。
民主党の選挙戦略について、細かいところの一端をかいま見たような気がするのですがなかなか面白いですね。当然民主党はここまで見越した上で候補者として合格させたのでしょうからね。
確かに世襲じゃないのだけれど
民主党は、選挙区の世襲に対して否定的な見解を示しており、それはそれである程度納得できるところもあるのです。
けれども、民主党が宮崎タケシさんについて見せたような戦略を今後も取るのであれば、世襲ではないものの、親を始めとする親族に集票力が期待できる人ばかりが政治家として集まることにもなりかねません。当然ですが、多くの人の親は、そのような集票力が期待できる組織には縁がないものです。
とりあえず、宮崎タケシさんには、「世襲天国」なる記事で他人の世襲を気にするのもよいと思いますが、ご自身の父親の影響力を考えた上で、そのような影響力のある人が親族にいなければ当選できないような国に日本がなった場合「柔軟性を失い、衰退するのは歴史的必然」とならないかについてもご一考することをおすすめしたいです。
別に私の親に集票力が期待できないからって、すねてるんじゃないからね!