当サイトのbookカテゴリ13冊目は、平井和正著の「幻魔大戦deepトルテック」です。幻魔大戦シリーズの新作として、2008年6月はじめに刊行されました。
普通のノベルスにすると10巻程度の量だそうですが、新書版ハードカバー3冊を一組として売られています。
ちなみにISBNはついていますが一般書店での扱いはなく、e文庫での通販しか購入方法はありません。
なお、付属である「少女のセクソロジー」・「少女のセクソロジーII」の方が先に収録されていたのには驚きましたが、通して読めばこれはこれでいいような気がしてきますので、お持ちの方はこのままの順で読み進めることをおすすめします。
残念ながら、今回は後書きは無しです。
幻魔大戦deepトルテックも、少女のセクソロジーに引き続き東丈の「娘」の雛崎みちるを主人公に据えて物語は展開していきます。幻魔大戦deepでは、東丈が主人公だったんですがね。なお、東丈の「娘」のみちるは、幻魔大戦deepが初登場です。
みちるが作家を志して色々している部分の記述では、平井先生の作家としての経験・意見がよく現れているのでしょう。今後作家を志す人であれば、何かの参考になるかもしれません。
途中は色々ありますが楽しめます。既存の作品の登場人物も多いですが、途中で登場する芸術家(不思議くん)もいい味を出しています。
ただ、最後のオチは「あれっ」と言った感じで拍子抜けしちゃった感はあります。もう1巻増やしてでも悪役にもうちょっとがんばって欲しかったです。それとも、悪役はもう書き飽きちゃったのかな。
おまけ
平井和正公式サイト近況+では、過去に平井センセイがアニメの涼宮ハルヒの憂鬱、らき☆すた、Kanonを見ているような記述がありました。たしか、CLANNADのアニメについても同様の記載があったはずです。
最近確認すると、平井センセイがアニメのAIRの話をして、余湖・田畑の両氏に驚かれたことが書いてあります。
え~と平井センセイの年って、……もう平井センセイの年を思い出すのはやめておきますか(笑)。
平井センセイもここまでどっぷりこの手の作品にはまっているんだったら、ABDUCTIONとか過去の作品群を、その辺の原作ゲームを作っているゲーム会社とコラボしてゲーム化したらいいんじゃないかなと思うのですよ。
幻魔大戦なんかをコラボしてゲーム化すれば、この手のゲームによくあるSFなシナリオをあさっての方向にぶっ飛ばしたようなすごいゲームになると思います。
まあ、一般の評価は「超展開ワロタ」になるかもしれませんが。
タイトル: | 幻魔大戦deepトルテック |
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著者: | 平井 和正 |
出版社: | e文庫 |
発売日: | 2008年6月 |
定価: | 20000円(+税) |
ISBN-13: | 978-4-903343-11-2 |