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NHK 受信料・受信契約に関する記事一覧

[book/政治とか]

都市問題 第97巻第5号(2006年5月号) / 2010-08-22 (日)

最近はいろいろと忙しく、ブログのネタがなかなか仕上がらない状態なのですよ。そんな中で、ブログ用に準備していたものの書きかけで放置されているネタをあれこれ見ていたところ、なぜか公開しても良さそうな記事が書きかけ扱いで公開されないままになっているのを発見しました。せっかくですので、一部手直しの上で公開します。
(本記事は、2008年3月頃に記載したものです。公開日である2010年8月22日に少しだけ訂正した上で公開しています。)

本記事では、東京市政調査会の発行している月刊誌「都市問題」の2006年5月号を紹介します。
まず本記事の所属するbookカテゴリは、本を読んで簡単なメモを書いていくカテゴリです。本記事はそのbookカテゴリの20冊目となります。今まで特に興味なかった(というか存在すら知らなかった)月刊誌なので、図書館で借りました。

この冊子は、団塊の世代の平均年齢は毎年1歳ずつ上昇する - 一本足の蛸の註釈2で取り上げられていた雑誌です。
「ニュータウンがゴーストタウンになる日はもう目の前だ。」とのことで、中学時代に親と一緒にニュータウン(でしょう。たぶん)に転居以来、現在もそのニュータウンに住み続けている私にとって結構気になる話です。

さて、肝心の本の中身ですが、いやまあどうしたものでしょうね。
問題点は結構取り上げられているのですが、問題が存在すること自体を指摘することに力点のおかれた論文ですので、既に問題が起きそうなマンションやニュータウンにいる人にとっては「どうしたものか」としか言いようのない文章なのです。

マンションについては、行政の介入による強制買上げについて言及していた方がいましたが、ニュータウンのゴースト化に対してはどなたも対策の言及はされていませんでした。つまり、ニュータウンに住んでいるものの観点からこの冊子を見ると、不安感は増すものの対策はないという最悪最低な状態に。

確かに私の住んでいるニュータウンでは、昔に比べたらバスの便数も減っています。ちょっと時間はかかるものの歩いて駅に行くことは不可能ではない距離だし、自動車を使う人も多く、運転ができない子供の数も減っているのでバスのお客は減り続けなのでしょう。また、近くの市立小学校・中学校の生徒も減っているようです。

この本の記述を信じて今後のことを考えるなら、住人がある程度年をとった後で管理が崩壊すると手がつけられないマンションや、入居者の世代がある程度固定化するので購入者が老人になったときには周りにも老人しかいない町になるおそれの高いニュータウンはさけ、ある程度都会で多様な年齢の方が住んでいる路地裏の一軒家を購入するのがよいのかもしれません。
もちろん、家を持たずに賃貸に住むことで、住環境が悪くなったら引っ越すという考えもありなのですが、60歳・70歳になった頃に環境が悪く変化した場合、引っ越しをしようにも賃貸住宅を新規に借りられないという可能性があります。(少なくとも現時点では老人のみの世帯は賃貸住宅を借りる際に苦労するはずです。)


タイトル: 都市問題 第97巻第5号(2006年5月号)
発行: 東京市政調査会
発売日: 2006年5月
定価: 750円(+税)
ISBN-13: 491-0066770563

[book/放送・有線放送]

放送法を読みとく / 2009-08-12 (水)

本記事では、「放送法を読みとく」と言う書籍を紹介します。
まず本記事の所属するbookカテゴリは、本を読んで簡単なメモを書いていくカテゴリです。本記事はそのbookカテゴリの19冊目となります。

「放送法を読みとく」は、はしがきによると30・40歳代の研究者・実務者で組織した「放送法研究会」の成果とのことです。12人の執筆者が分担して執筆した書籍であり、それぞれの執筆者が分担部分の責任を持つが、打ち合わせにより全体としての統一を図り体系書としての体裁を整えているそうです。

第1編・第2編の内容は、最後に記載している目次を見てもらえればわかるような項目についてなのですが、本書は基本的に放送の自由に関する興味関心が根本にあり、そのような方向から放送法を俯瞰したような書籍として仕上がっています。
放送の自由と言っても、国に放送内容について口出しされない自由を意味する「国家からの自由」だけではなく、放送事業者が偏った放送をした場合に国家が介入することで情報多様性を目指す「国家による自由」をも視野に入れた論考をしています。
もちろん、「国家による自由」は制度設計をきちんとしなければ単なる言論弾圧の手段となる可能性があることも触れられています。

第3編は、放送法の逐条解説です。執筆分担を見ると、第3編Ⅰ(1条、3条、3条の2)を書いている成城大学法学部の西土章一郎准教授以外の方は、全て日本民間放送連盟またはNHKに勤めたことのある方ばかりで、実務者に書いて頂いたのだろうと思います。

他にも「放送法を読みとく」の内容で触れたいことはありますが。それは別の記事に書くことにします。

再読する必要は?

放送法の逐条解説は、なかなかいいものであると思います。私にとって、必要に応じて読む価値がある本です。


タイトル: 放送法を読みとく
著者: 鈴木 秀美・山田 健太・砂川 浩慶=編著
出版社: 商事法務
発売日: 2009年7月
定価: 3300円(+税)
ISBN-13: 978-4-7857-1664-6
目次: 第1編 放送を取り巻く現状と系譜
 I 放送とは何か--「放送」概念の変遷…………2
 Ⅱ 日本の放送実態…………16
 Ⅲ 放送法制の変遷…………34
 Ⅳ 放送行政の変遷…………60
第2編 放送法制の全体像
 I 放送の自由・総論…………92
 Ⅱ 放送の自由・各論--番組編集準則を巡る憲法論…………105
 Ⅲ 免許制度…………115
 Ⅳ 放送を取り巻く諸制度…………130
 Ⅴ 規制機関の国際比較…………153
第3編 放送法解説
 I 総則(第1章)・放送番組の編集等に関する通則(第1章の2)…………172
 Ⅱ 日本放送協会(第2章)…………212
 Ⅲ 放送大学学園(第2章の2)…………280
 Ⅳ 一般放送事業者(第3章)…………282
 Ⅴ 受託放送事業者(第3章の2)・委託放送事業者(第3章の3)…………290
 Ⅵ 認定放送持株会社(第3章の4)…………296
 Ⅶ 放送番組センター(第4章)…………303
 Ⅷ 雑則(第5章)・罰則(第6章)…………306
第4編 資料
 I 放送法に関係する法令とそのURL…………318
 Ⅱ 放送普及基本計画…………320
 Ⅲ 電波法関係審査基準…………322
 Ⅳ 地上デジタルテレビジョン放送局の免許及び再免許方針…………323
事項索引…………331

[book/novels]

超革命的中学生集団 / 2009-07-22 (水)

当サイトのbookカテゴリ18冊目は、SF作家・平井和正先生の「超革命的中学生集団」です。
ハヤカワ文庫や角川文庫で出版されたことがあり、現在はe文庫で電子書籍として刊行されています。(記事の最後には、私が読んだのが角川文庫なので、そのデータを書いておきます。)

はじめの方に「この物語はフィクションである。類似する人物、団体、事件、宇宙人等が存在しても、すべて偶然の一致である。」などと書いています。あたりまえなのですが。
まあ、そのわりにはSF作家・横田順彌の一字を新字体にした横田順弥なる人物を主人公に、同じくSF作家・鏡明と同名の人物や、他にもSFファンの集まりである「一の日会」のメンバーと同名の人物がいる、登場する平井番長は作家本人の名字など、少なくとも人物に関してはなかなかすごい「偶然の一致」を誇る小説なのです。

出てくるSF的発明品としては重力波コントロール装置やタイムマシンがあるものの、上記の人物たちにより繰り広げられる内容はと言えば、突然現れた宇宙人に潜在的能力を開発された中学生が繰り広げるはちゃめちゃ劇、抱腹絶倒の物語です。
読書感想文の得意な方なら、このはちゃめちゃ劇からくそまじめな感想文を作って遊んでもいいでしょう。

現在、e文庫その他の長編小説から「超革命的中学生集団」のPDF立ち読み版として始めの何章かが無料で読むことが可能になっていますので、興味ある方は是非読んで笑ってもらえばと思います。
あと、同じくe文庫で公開されている「超革命的中学生集団」解説 横田順彌/鏡 明は、登場人物ではなくSF作家である両氏による本作の解説です。

なお、2003年には児童向け?に一部リライトした上で「超人騎士団リーパーズ」として出版されています。登場人物名の一部が平井先生の近年つきあいのある漫画家さんを意識した漢字に変わり、細部も変更の他、ラストも微妙に変更されています。


タイトル: 超革命的中学生集団
著者: 平井和正
出版社: 角川書店
発売日: 1976年9月
ISBN-13: 978-4041383100

[book/novels]

迷い猫オーバーラン!5 / 2009-07-08 (水)

当サイトのbookカテゴリ17冊目は、集英社スーパーダッシュ文庫の「迷い猫オーバーラン!5」です。2009年6月に初版刊行されています。

えーと、昔々から「本は基本的に1巻から読む」と言っていた私ですから、既に4までは購入済みなのです。(昔々とは言ってみたものの、このサイトで書いた内容のはずですからそんなに昔のことではありませんが。)

シリーズ全体を通しての感想ですが、「これはイイ!」です。
ツンデレを娯楽として楽しむには、読者にとってのデレの見え具合はこれぐらいわかりやすい方がいいんじゃないかなぁと思うのですよ。

ちなみに、出張先の東京駅内の本屋(BOOK EXPRESS 東京北口店)で本書を購入しました。この本屋の店員はなかなかわかっている人で、他の方には「カバーをおつけしましょうか」と確認してからカバーをつけているのに、私に対しては何も聞かずにカバーをつけてくれました。
まあ、確かにカバーなしで新幹線で読むのはつらい本ですよねぇ?


タイトル: 迷い猫オーバーラン!5
著者: 松 智洋
出版社: 集英社
発売日: 2009年6月30日
定価: 552円(+税)
ISBN-13: 978-4-08-630490-0
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[book/放送・有線放送]

NHK受信料は拒否できるのか / 2009-05-04 (月)

本記事では、「NHK受信料は拒否できるのか 受信料制度の憲法問題」と言う書籍を紹介します。
まず本記事の所属するbookカテゴリは、本を読んで簡単なメモを書いていくだけのカテゴリです。本記事はそのbookカテゴリの16冊目となります。図書館で別の本を探していたときにたまたま見かけて借りてきた本です。

著者の土屋英雄は、筑波大学大学院 人文社会科学研究科 憲法学専攻の教授です。
題名自体に「憲法問題」とあり、最近の論著に日の丸・君が代とか靖国などがあるとくれば、その筋の人ではないかと思ってしまう訳です。まあしかし、その筋だろうがどの筋だろうが、書籍はその内容次第ですから、それはそれとして内容を確認することになったわけです。

私がこの書籍に注目するのは、大学院の教授のような肩書きを有する学者さんが「有線テレビの視聴者がNHKと受信契約を締結しなければならないか」という問題を取り上げるのは、おそらくは初めてであるからです。

まず、NHKがケーブルテレビに入っていても受信料を支払うの?として公開している主張を取り上げた上で以下のように記載しています。(NHK受信料は拒否できるのか 57ページ冒頭部)

NHKは、放送法32条1項は「協会の放送を受信することのできる受信設備」と定めており、「直接受信することのできる」と言う文言を使用していないと説明しているが、この解釈はさほど説得力がない。

そして、準用規定等も検討した上、NHK受信料は拒否できるのか 58ページ冒頭部では最終結論として以下のように表記しています。

NHK放送の受信契約締結義務の規定は有線放送には適応されないと解するのが妥当である。

また、NHK受信料は拒否できるのか 58ページ中頃では放送法32条1項但し書きの規定に注目して以下のように表記しています。

この定義からすると、有線放送は、NHK放送の受信を「目的」とはしておらず、NHK放送受信契約の対象外とならざるを得ない。にもかかわらず、有線テレビの視聴者に対して、放送受信契約締結の義務があるとNHKが説明しているのは法解釈上で妥当ではない。

以上3点の指摘により、NHKや過去の国会答弁に示された有線放送を受信するための設備である有線テレビにおいても受信契約を締結しなければならないと言う意見を真っ向から否定しています。

この書籍発刊前には、大学教授等の肩書きを有する学者さんが有線テレビについてNHKと受信契約を締結する必要があるかについて書かれた書籍は存在しなかったのです。(少なくとも私が探した範囲にはありませんでした。なお、確認した書籍には、有斐閣の法律学全集15-Ⅰ交通法・通信法の他に、[book/放送・有線放送]に記載されている書籍も含まれます。)
ところが、今回取り上げた「NHK受信料は拒否できるのか」では、有線テレビの場合に受信契約を締結する義務はないとしています。

このことから、少なくともケーブルテレビの受信者は、NHKと受信契約を締結する必要はないと考えられ、結果として受信料を払う必要がないことがわかります。

上記以外の部分も一通り読んだのですが、その筋の味付けは正直私の苦手とするところでして、ぼちぼち読ませていただいたと言ったところです。上記以外の部分の記載は、他の学者さんは別の見解であることも多いので、単純に著者の主張を全面的に受け入れることは難しく、それぞれについて検討する必要があるでしょう。
しかし、有線テレビについての記載は、大学教授等の肩書きを有する学者に限れば著者しか主張しておらず、他の学者の既存の見解(放送と有線放送が異なるものであるなどの内容)とも矛盾するものではないですから、おおむね信用してよいと考えています。

つまり、現時点では、学問的には「有線テレビはNHKと受信契約を締結する必要がない」とされていて、反対意見は存在していないという理解でよいのではないかと考えます。

なお、本書で受信料制度の目的を考える際に、放送法1条1号にある「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。」に関する考察がおざなりだったのは残念でした。

注記

本記事の更新情報等です。

注記(2009年5月10日)

NHK受信料は拒否できるのか 58ページ中頃の記載の引用および前後の1行を追記。


タイトル: NHK受信料は拒否できるのか 受信料制度の憲法問題
著者: 土屋 英雄
出版社: 明石書店
発売日: 2008年1月
定価: 1800円(+税)
ISBN-13: 978-4750327006
目次: はしがき…………3
序説…………9
第1章 放送受信契約と受信料についての疑問…………23
第2章 受信料制度の目的および受信料の法的性質と根拠…………29
 第1節 受信料制度の目的…………31
  (1) NHKと受信料の目的…………31
  (2) 「編集の自由」と「発言権なければ受信料なし」…………35
  (3) 「経営の独立」と経営委員会…………43
 第2節 受信料の法的性質…………45
 第3節 受信料の法的根拠…………50
  (1) 放送法32条の解釈…………50
  (2) 日本放送協会放送受信規約の解釈…………60
第3章 受信料制度の憲法問題…………67
 第1節 思想・良心の自由との抵触性…………69
  (1) 思想・良心の自由と受信料制度…………69
  (2) 判例…………74
 第2節 表現の自由--知る権利--との抵触性…………82
  (1) 知る権利と「放送」…………83
  (2) 知る権利と「情報の遮断」…………84
 第3節 幸福追求権--自己決定権--との抵触性…………87
  (1) 幸福追求権と自己決定権…………88
  (2) 自己決定権と情報の選択的摂取…………93
終章 受信料擁護の若干の論説の検討…………95
あとがき…………109
資料…………113
 (1) 放送法…………115
 (2) 日本放送協会放送受信規約…………185
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1: ななパパ (2009/05/07 12:40)
ご紹介いただき、こちらにやってきました。

「直接受信することのできる」と言う文言を使用していないと説明している件ですが、説得力どころか意味が無い事です。
放送法の「直接」とは、各受信者が同時に内容を変更されず受取る仕組みの事ですから、CATVだって「直接」なんですよ。
ただし、「放送」ではなく「有線TV放送」ですが。
2: ななパパ (2009/05/07 12:41)
また、役所やNHKがCATVの受信義務を訴える根拠は、放送法施行規則第五条であり、放送法32条1項だけでは放送がCATVで受信できない事は、約半世紀前から国も認めています。
これは、読んでも理解しにくい日本語(当時の国会でも日本語が間違っていると指摘あり)ですが、制定者の意図は放送受信機に「連接」されているスピーカやモニタ等を所有していれば、その機器だけで受信設備とみなすという事ですから、CATVの受信機が局の受信設備に「連接」されていると言えるかどうかが本当の判断基準になります。
3: ななパパ (2009/05/07 12:42)
さらに、CATVうんぬんより、NHKを見る意思が無ければ放送法32条1項の「放送の受信を目的としない受信設備」に該当するような事も国会議事録に出ています。
現在のNHKの主張とかなり違いますが、私は当時の国会議事録を信じます。
4: nonki (2009/05/07 22:04)
本記事は、書籍「NHK受信料は拒否できるのか」に関する記事ですから、これに基づくお返事をさせて頂きたく思います。
著者は放送法施行規則5条には特にふれていませんが、「NHK受信料は拒否できるのか」58ページの中頃以下の「受信設備の目的」に関する記載で『有線放送は、NHK放送の受信を「目的」とはしておらず、NHK放送受信契約の対象外とならざるを得ない。』と記載しています。
この記載の趣旨からすると、「有線テレビは、放送法施行規則5条の記載で放送法32条1項本文の受信設備となる」との主張に対しては、(その主張自体を否定しないとすれば)「例え放送法32条1項本文の受信設備とみなされるとしても、設備の目的が有線放送を受信するための設備であることにかわりはなく、放送法32条1項但し書きに定める放送の受信を目的としない受信設備であり、受信契約を締結する必要はない」と言い抜けるでしょう。
5: ななパパ (2009/05/07 22:44)
結論は同じなのですが、CATVの先祖(共同受信設備)と仕組みが異なり「連接」されていないため放送法32条の受信設備には該当しないというのが正しいように思えます。
「NHK受信料は拒否できるのか 」の詳しい内容が分からないので見当外れかもしれませんが、放送法の「受信設備」とその他の法律の「受信設備」の定義が異なるため、一般的な受信設備の概念で放送の受信を目的としていないと言っているなら、そのまま放送法には当てはめる事ができませんので但し書きに該当するとは断言できません。
「連接」されていた場合に限りますが、局の受信機とCATVのテレビのモニタやスピーカーは同じ受信設備として扱われるので、局の受信機がNHKの受信を目的としている以上、但し書きには該当しないと思います。
6: nonki (2009/05/08 00:02)
ここからは私の感想になりますが、「受信契約を締結する必要があると言う学者がおらず、契約義務がないという学者がいる」現状では、ケーブルテレビにおいて受信契約は義務ではないのだろうと認識しています。総務省なりの言っていることが正しいのなら、悪く言えば「御用学者」と言えるような人も含めて誰一人義務があると言わない(少なくともある程度書籍をあさった私は見つけていない)現状は全く理解できませんからね。

ちなみに、もしケーブルテレビ加入者がNHKと受信契約を結ぶ必要があると言っている学者さんをご存じでしたら、教授頂ければ幸いです。(なお、専門が明らかに異なる学者さんは教えていただいても良いですが参考程度で願います。)
7: ななパパ (2009/05/08 20:25)
nonkiさんへの回答にはなっていないと思いますが、
国会議事録の「衆-電気通信委員会-9号昭和27年03月04日」の097以降くらいがこの話題の元祖です。
岡咲政府委員という方は学者で間違いなく受信契約支持者です。この人がその後のCATVの仕組みを知っていたら放送法の文面がCATVでも逃げれないようになっていたでしょうけど、そうなっていませんね。
現在の学者さんなら、この根本的問題まで踏み込んで「受信契約義務なし」と仰ってほしかったです。
総務省なりの役人の主張は、「逓信委員会有線放送に関…-1号昭和35年03月03日」の甘利政府委員の言った「~要するにNHKの放送がそこから音になって出てくる、そういう機能があれば、それが一つの受信設備である、~。」という施行規則の解釈からだという事を何人知っているのだろう?
8: nonki (2009/05/08 22:32)
岡咲恕一(当時)政府委員の経歴は、今インターネットで調べたですがよくわからないですね。
以下の感じで正しいでしょうか?
昭和25年 検事・法制意見第一局長
昭和26年 「新会社法と施行法」出版
昭和27年 電波監理委員会副委員長
以上が正しいのであれば、岡咲恕一氏は学者と言うよりは官僚と言うことになります。
上記答弁以前にどこかの大学で教授をされたなどの経歴をお持ちの方でないならば、「学者」としての信用を前提として主張を聞くことはできないですね。上記答弁の後に大学の教授などをされたのであれば、就任以降に上記主張を出版等で改めて世に問うていなければ「学者」としての信用を前提として主張を聞くことはできないことになります。
9: ななパパ (2009/05/08 23:20)
nonkiさん。他の記事も読ませていただいております。とても勉強になる記事をありがとうございます。
岡崎委員の件ですが石川委員が「学者」と言っていたのを鵜呑みにしていただけで、私も良く存じません。
余計なお手間をとらせて申し訳ございませんでした。
10: nonki (2009/05/09 23:12)
岡咲恕一氏の経歴は、昭和25年7月までの時点で以下の通りです。
 裁判所での裁判事務->司法省(官房臨時企画部長)->法務府(検事・法制意見第一局長)->電波監理委員
ソース:衆議院会議録情報 第008回国会 電気通信委員会 第3号( http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/008/0800/00807200800003a.html )一部肩書きは別の国会議事録で確認。
この方が昭和26年ごろに電波監理委員会副委員長になったもので、まさに官僚です。
石川金次郎衆議院議員が学者と言われたのは、「新会社法と施行法」などの書籍出版が理由と拝察します。これらの書籍は法制意見第一局長として改正作業に関わった分野について記載した本のようで、現在の官僚でも同様のことを行う方はいます。
なお、amazon等で調べたところ、岡咲恕一氏は電波法や放送法関係の書籍は出しておられないようです。
11: nonki (2009/05/10 00:06)
本記事は、書籍「NHK受信料は拒否できるのか」に関する記事ですから、これに基づくお返事をさせて頂きたく思います。(前の記載はよく考えれば、「NHK受信料は拒否できるのか」著者の趣旨にあわないお返事ではなかったと考えまして追記します。)
著者は放送法施行規則5条には特にふれていませんが、『NHKは、(中略)この解釈はさほど説得力がない。』という記載は、要するには『放送法施行規則5条に拘わらず、ケーブルテレビやスピーカや受話器が「協会の放送を受信することのできる受信設備」となると言う法律解釈には説得力がない』と言っているわけです。私が上記で書いたのは、そこを突破できたと仮定した場合になお著者の主張には逃げ道があることを指摘したものです。