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[生徒会・学生自治会]

東京大学教養学部学生自治会の規約改正案について / 2012-06-09 (土)

前回に引き続き、東京大学教養学部学生自治会の記事です。今回は学生自治会規約改正案についてです。

ここでは、東京大学教養学部学生自治会公式サイトに掲示されている学生自治会規約改正案第二次案(2012年5月31日)を元に解説します。
今回の改正案の最大のポイントは、学生8人から1名が選出される代議員で構成される最高決議機関である代議員大会を非常設化し、各クラスにつき2名が選出される自治委員で構成される自治委員会を常設の最高決議機関とするものです。

ただ、私がネット上に公開されている情報だけを前提として判断する限り、上記のために規約を変更することに伴って、何点かの問題点があるように感じております。
私は完全な部外者ではありますが、どこをおかしいと感じたのかをここに書いておこうと思います。

前提知識として、東京大学教養学部学生自治会には「クラス会、代議員大会、自治委員会、常任委員会」が置かれています。

会員に対する会議の公開について

会員に対する会議の公開についてです。学生自治会規約改正案第二次案第八条には、以下の通りに書かれています。

学生自治会規約改正案第二次案
第八条【会議の公開】
各会議は本会会員に対して原則として公開とする。但し代議員大会を除く各会議においては出席議員の三分の二以上の多数で議決した時には秘密会を開くことができる。
2 本会会員でない者が各会を傍聴する際には出席議員の過半数の賛成を必要とする。

今回の改正自体は、1項については「本会会員に対して」を付記し、2項として本会会員でない者の傍聴について明記したものであり、東京大学教養学部学生自治会の会員にとっては実質上の変更点がないようにも見えます。ただ、今回の改正案が成立した場合には、代議員大会は通常開催されなくなり自治委員会がその役割を果たすことになっております。

ここで、議員でない会員の立場になって今回の改正案を考えます。現在であれば年数回は代議員大会が開かれて必ず会員に対して会議が公開されています。しかし、改正案が成立した場合は、年数回の自治委員会は開かれますがこれは第八条に基づいて秘密会になる可能性があることから、会員にとっては最高決議機関が傍聴できなくなる可能性を秘めた規約改正案です。
改正案の他部分をそのままとするのであれば、代議員大会と自治委員会共に秘密会を開くことが不可能な条文に変えることが望ましいと考えます。

学生投票による決議の審査について

東京大学教養学部学生自治会では、現在、代議員大会後三日以内に全学生の六分の一以上の要求があった場合は学生投票で決議を審査することになっています。

学生自治会規約改正案第二次案
第十九条【学生投票による代議員大会決議の審査】
代議員大会の決議は次の場合には学生投票をおこなってこれを審査する。
一 代議員大会が学生投票の実施を決議した場合
二 代議員大会後三日以内に全学生の六分の一以上の要求があった場合
この場合、その決議は投票結果の判明まで一時その効力を停止する。

この部分については、文言の細部修正のみで、条文としてはほぼ同一のものです。ただ、先ほども述べたように、今回の改正案が成立した場合には、代議員大会は通常開催されなくなり自治委員会がその役割を果たすことになっております。

自治委員会の決議は学生投票の対象外ですので、その決議が適切なものではないと考えた場合は自治会規約十五条に基づいて会員の十分の一以上の要求を集め代議員大会を開催させることになります。この場合も代議員大会で決議するまで自治委員会の決議の効力を停止しておいた方が整合性があると考えるのですが、今回そのような改正は計画されていないようです。
または、自治委員会の決議をいきなり学生投票に持ち込めるようにしても良いのかもしれませんね。

規約改正

規約改正については、以下の通りです。

学生自治会規約改正案第二次案
第三十八条【規約の改正】
この規約の改正は自治委員会において出席議員の3分の2以上の賛成によってこれを行う。

一方でこのような規定もあります。

学生自治会規約改正案第二次案
第十三条【代議員大会】
代議員大会はこの会の非常設の最高議決機関であり、その決定は自治委員会の決定に優先する。代議員大会はこの会の活動において、特に重要な事項で本学部全学生の意志を決定する必要のある場合に開催する。

では、改正案第二次案が成立後に、代議員大会が規約改正案について決議した場合、どのような扱いになるのでしょうか?出席代議員の過半数の賛成で規約を改正できると見ていいのでしょうか?
この辺は明示しておいた方が安全であろうと考えます。

感想

上に色々書いていますが、現状にそぐわない規定を見直そうと考えているのは良いことであろうと考えます。
ただ、仮に私がアイディアを出すならば、規約をほぼそのままとした上で代議員の定数を今の自治委員程度に減らし、自治委員の選出方法を代議員大会がこの会の会員中より20名程度選出するようにし、常任委員会については自治委員会で別途定めることにして今の事務局相当とする方向で考えると思います。
おそらくは、今の規約改正案より規約の変更場所は少なくてすむはずです。

いや、規約改正後何年かすると、自治委員以外の特に任務のない代議員がクラスで選出されなくなる可能性があるなあと考えるのですよ。


[生徒会・学生自治会]

東京大学教養学部学生自治会のニュースを見て / 2012-06-03 (日)

東京大学教養学部学生自治会が日本共産党系の全日本学生自治会総連合(全学連)から脱退する方向であるというニュース(ついにとどめを刺される「全学連」-東大の自治会が引き起こす社会運動史上の大事件とは)を見つけたので、参考までに東京大学教養学部学生自治会公式サイトを見に行きました。
全学連からの脱退は6月の代議員大会での決議後になるとのことで、今後は日本共産党の影響を強く受けた活動から離れ、学生のための学生自治会を目指す方針のようです。

脱退そのものの話題より私が驚いたのは、2012年4月から事務局員に対して活動保障費(時給1000円)と言う名前のお金を払っていることでした。事務的活動に限っているとのことですが、私が知る限りの学生自治会では、そう言う話は聞いたことがなかったので。

私は東京大学教養学部学生自治会の会員ではないので「活動保障費制度」自体の是非を論じることはしませんが、今ネットで入手できる範囲の情報のみから導入手続きが適正か否かで見れば、適正な手続きとは言えないと考えます。
「活動保障費制度」は、東京大学教養学部学生自治会の最高機関である代議員大会の決議を得ず、執行権を有する自治委員会の決議すらなく、自治委員会の活動を円滑ならしめるために設置されている常任委員会の決定で導入されている模様です。
現在予備費から支出している以上、予算にも事務局員に対して活動保障費を払うことは書かれていなかったわけですから、話の筋はあまり良くない感じです。

私がもし「活動保障費制度」の導入をする役員の立場であれば、手続きに配慮して代議員大会での決議後に導入することを考えるでしょう。
今年4月以降の働いている時間に応じて活動保障費を欲しいなら、代議員大会に提出する決議案文に、「4月の常任委員会で導入推進を決めた以降の時間について活動保障費を出す」と書いておけばよいでしょうし。

ただ、東京大学の場合は、一定の役職を勤める学生に対して活動保障費を支払っている団体が既にあるようです(学生会館運営委員会とかがそんな感じらしい)。また、東京大学教養学部学生自治会においても、代議員大会に出席した代議員に食事を提供するなど、既に何かの任務をすることで費用の還元を受けると言う事例があるようです。
このような背景を元に、事務局員に対して活動保障費を払う制度もすんなりと受け入れられるのかもしれませんね。

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1: nonki (2012/06/17 10:56)
活動保障費については代議員大会にて活発な議論がされたようですが、最終的には活動保障費を含む決算・予算が承認されたとのことです。
結果として、「活動保障費制度」は会員の皆さんに受け入れられたようですね。