以前、わたし的 涼宮ハルヒの解題で、涼宮ハルヒシリーズは幻魔大戦のオマージュとみて、色々対応関係を書いていましたが、新たに一つそれらしきものがありましたので、メモ。
「法人化なんか論外よ」涼宮ハルヒの分裂 98ページ より
「営利目的でやってるんじゃないんだからね!」
上記の記述は、「SOS団員になるような新入生がいないなぁ」→「あっちこっちに支部つくればどう?」とのハルヒ的思考に対し、「いっそのこと、将来私立学校を設立し、全員SOS団員にすりゃあいい」と言ったキョンに対する答えです。
しかし、この前振りであれば、「何言ってるの」とか「学校なんか設立しない」とか「そんな集め方はしない」などの答えにはなっても、いきなり私立学校が法人格をもっているところに注目した「法人化しない」という答えには普通はならないはずです。
また、「営利目的でやってるんじゃないんだからね!」も、金儲けできるみたいな前振りが本文中にないので唐突感は否めません。
ところが、この記述が幻魔大戦を意識してわざとしているとすれば、どうでしょうか。
幻魔大戦5(角川文庫)の23-25ページでは、主人公の東丈に対してGENKENを宗教法人とするよう進言している人がいます。しかし、東丈は、宗教法人が収入無税の恩恵を生かして金儲けに励んでいるという話を聞いて、「そんなものは、もはや宗教でもなんでもないだろう」と考えた上で、GENKENを宗教法人としないことを決心しています。(文芸部の分科会として生まれたGENKENは、学外組織に改組の上、宗教っぽい団体になっています。)
上記の東丈の心境を涼宮ハルヒに代弁させると、「法人化なんか論外よ」「営利目的でやってるんじゃないんだからね!」となるに決まっています。
ちょうど、涼宮ハルヒの分裂 98ページにある、涼宮ハルヒの台詞のように。