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NHK 受信料・受信契約に関する記事一覧

(注意)2011年に放送法が改正されたので、それ以前のNHKに関する記載は現状にそぐわない可能性があります。

[NHK]

(改訂版)ワンセグ携帯とNHK受信料の支払いについて / 2009-03-20 (金)

重要

2009年5月2日追記

以下の結果として取り消すことになった記事は、要するには電波・放送関係の法律において「設置」が法的にどのような意味で使用されるかという問題について書いた記事です。

その辺について確認するため、学陽書房の「法令用語辞典 <第七次改訂版>」を図書館より借りてきました。ちなみに第七次改訂版は平成8年に発行されていますので、引用されている民法は民法現代語化以前のものです。よって、片仮名が使用されています。
「法令用語辞典 <第七次改訂版>」の446ページでは、「設置」を以下のように記述しています。

設置

あるものを新たに設けることをいう。
1) 単に物を物理的に設ける行為を、その物の保存又は管理の行為と比較して「設置」という。例えば、「界標ノ設置及ビ保存」(民法224)、「公の営造物の設置又は管理」(国家賠償法2Ⅰ)等は、この意味に使われた例である。
2) ある施設又は制度を法律上の存在として設ける行為をいう。国又は公共団体の機関について最も多く用いられる。用例としては、「法律の定めるところにより設置する下級裁判所」(憲法76Ⅰ)、「議会を設置する」(憲法93Ⅰ)を始めとして、各省の設置、特別会計の設置等多数のものがある。(以下略)

以上から、設置という法律用語からは「移動しない」などの意味は読み取れません。例えば、公の営造物が移動するからと言って国家賠償法の範囲外といわれても困るでしょう。
このようなことから、「携帯電話(などの移動する通信機器)を設置した」などのように使用される可能性があると考えます。私が確認した範囲では、電波・放送関係の法律では移動する通信機器には「設置」の用語を使用していないように見受けられましたが、積極的に「移動する通信機器は固定されておらず、言葉の定義上設置されていない」とまで言えるものではないと考えます。

2009年4月26日追記

某所で当サイトのこの記事が引用されていたのですが、そこでは論理に飛躍があるのではないかとする批判がありました。よくよく考えてみると、確かにそうであったかもしれないと思いましたので、以下の意見は取り消します。

以上のことから、今後は本記事であるワンセグ携帯とNHK受信料の支払いについてを参照願います。

以下は、当サイトの過去の資料としておいておきます。

追記前の冒頭部

今日は、ワンセグ携帯電話、車載テレビなどを持ってる場合に、NHKの受信料はどのような扱いになるのかです。
当サイトにおける従前の立場は、放送の受信を目的としない受信設備である携帯電話についてはNHKと受信契約を締結する義務はなく、放送の受信も目的とした受信設備である携帯電話はNHKと受信契約を締結する義務があるとしたもの(ワンセグ携帯とNHK受信料の支払いについて)でしたが、本日をもって訂正します。

結論を先に言えば、ワンセグ携帯電話、車載テレビ、ワンセグテレビチューナーを接続したノートパソコンなど、移動して使用するテレビなどの所有者は、NHKを毎日何時間見ていても法律上NHKと受信契約を締結する必要はありません。(もちろん、他にもテレビを所有しているような場合は、そのテレビが原因でNHKと受信契約を締結する必要が出てくる場合もあります。)
以下ではその理由を記載します。

まず、ワンセグ携帯電話は、携帯電話の基地局と端末である携帯電話機の間で電波による無線通信を使用することから、電波法に定める無線局として無線局免許状が必要です。(この免許は、NTTドコモ、au、ソフトバンクとかの事業者が管理しています。)
携帯電話としての無線局免許状を得るためには、電波法6条に従い申請書を提出する必要があります。この申請書には「無線設備の設置場所」を書く場所がありますが、移動する無線局であることから電波法6条に従い「移動範囲」を記載することになります。

電波法

第二条 この法律及びこの法律に基づく命令の規定の解釈に関しては、次の定義に従うものとする。
1.「電波」とは、300万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう。
2.「無線通信」とは、電波を利用して、符号を送り、又は受けるための通信設備をいう。
3.「無線電話」とは、電波を利用して、音声その他の音響を送り、又は受けるための通信設備をいう。
4.「無線設備」とは、無線電信、無線電話その他電波を送り、又は受けるための電気的設備をいう。
5.「無線局」とは、無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。但し、受信のみを目的とするものを含まない。
6.「無線従事者」とは、無線設備の操作又はその監督を行う者であつて、総務大臣の免許を受けたものをいう。

第六条 無線局の免許を受けようとする者は、申請書に、次に掲げる事項を記載した書類を添えて、総務大臣に提出しなければならない。
1.目的
2.開設を必要とする理由
3.通信の相手方及び通信事項
4.無線設備の設置場所(移動する無線局のうち、人工衛星局についてはその人工衛星の軌道又は位置、人工衛星局、船舶の無報局、船舶地球局(電気通信業務を行うことを目的として船舶に開設する無線局であつて、人工衛星局の中継により無線通信を行うものをいう。以下同じ。)、航空機の無線局(人工衛星局の中継によつてのみ無線通信を行うものを除く。第4項において同じ。)及び航空機地球局(航空機に開設する無線局であつて、人工衛星局の中継によつてのみ無線通信を行うもの(実験等無線局及びアマチュア無線局を除く。)をいう。以下同じ。)以外のものについては移動範囲。第18条を除き、以下同じ。)
(以下略)

ところが、移動する無線局には「無線設備の設置場所」ではなく「移動範囲」を記載させるというこの規定は、移動して運用する無線設備は設置されていないとする日本国の認識を示しています。つまり、携帯電話を含む移動する無線設備は、日本国が無線局の免許を認可するたびに「設置されていない」と表明しているわけです。
ここで放送法を見てみましょう。

放送法

第三十二条 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

以上の通り、放送法32条によれば「協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」のは、「受信設備を設置した者」とされています。
ここで、ワンセグ携帯電話は携帯電話の機能として無線設備が搭載されており、これは無線局の免許を取っている以上、日本国より「設置されていない」と表明されています。一方、ワンセグ携帯電話には、ワンセグ機能としてテレビジョン放送の受信のみ可能な無線設備(受信設備)が搭載されています。当然この受信設備も同じ携帯電話に内蔵されている以上、日本国より「設置されていない」と認識されるはずです。
このため、ワンセグ携帯のみ所有している者は、協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者に当たらず、NHKと受信契約を結ぶ必要がないことになります。

車載テレビについても、最近は見ない車載電話との間で同じことが言えます。同じ車に取り付けた場合に、車載電話が法律上設置されていないのに、車載テレビは設置されていることになるというのは相当におかしな認識ですから、当然法律上設置されていないこととなります。よって、車載テレビはNHKと受信契約を結ぶ必要はないことになります。
ワンセグテレビチューナーを接続したノートパソコンについても、同様の議論ができるのでNHKと受信契約を結ぶ必要はありません。

もっと一般的に言うと、NHKの放送を受信可能である移動しながら使用可能なテレビの所有者は、受信設備を設置していないことから放送法32条の要件を満たさず、NHKと受信契約を結ぶ必要はありません。

これは屁理屈ではないのか?

正直に言うと、その可能性はあると認識しています。
例えば、有線放送受信者がNHKと受信契約を締結する必要がありませんが、これは費用負担の面、普及促進の核となる放送局/有線放送局がどこであるかなどの観点から考えると明確な理由があります。((改訂版)NHKの受信料制度の意図
一方、移動して使用するテレビがNHKと受信契約を締結する必要がない理由は、法的にそうである以外に理由はないと考えます。特に移動して使用するテレビを普及させたくて政策的に受信料を不要としたわけでもないでしょう。

しかしながら、日本国は法治国家であるのですから、国民や国内在住の外国人に何かを強制するためには法律で要件を定め、その要件に従っている必要があります。現時点ではワンセグ携帯、車載テレビ等の移動して使用するテレビは法律の要件を満たしていないのですから、法律が要件を満たすように改正されるまでは受信契約を締結する必要はありません。

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