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NHK 受信料・受信契約に関する記事一覧

(注意)2011年に放送法が改正されたので、それ以前のNHKに関する記載は現状にそぐわない可能性があります。

[NHK]

NHK受信契約の成立について / 2009-07-30 (木)

はじめに

まずは、2009年7月28日に、東京地裁でNHKと受信契約を締結した者に対して受信料を支払う必要があるとされた判決についてです。まあ、控訴する方がいるようですので判決が確定したわけではないようですが。
判決文がどのようなものであったかは現在手元にないので知りませんが、新聞各紙の報道により概要はわかると思います。

NHK受信料不払い、男性2人に支払い命令(2009年7月28日 読売新聞)では、裁判長は「NHKのテレビ番組を実際に視聴するか否かにかかわらず、支払い義務は発生する」と述べたとのことです。

NHK受信料未払いはダメ!東京地裁「自由意思で契約、解約できた」(産経新聞2009年7月28日)では、裁判長より「男性らは自由な意思に基づいて受信契約を結んでおり、解約の方法も事前に知ることはできた」と指摘があったとのことです。

NHK受信料:合憲、2人に全額支払い命令--東京地裁(毎日新聞2009年7月29日東京朝刊)では、『判決は、NHKを巡る問題を理由に受信料を支払いたくないとする2人の主張を「一つのものの見方として尊重されなければならない」とした。しかし(1)本人や家族が02~03年、自主的に契約を交わした(2)04年3月まで支払いを続けた(3)解約には受信機の廃止が必要だと事前に知り得た--などから「(契約や契約継続は)2人の思想良心の自由を侵害していない」とした。』とのことです。

以上から判決を簡単に要約すれば、「自由意志でNHKと受信契約を結んだ以上、それ以降については民法の原則に従って両者は契約に拘束される。憲法上の問題とはならない」とのことでしょう。
結果としては、NHKが自分の納得いく体制になる(なおかつそれが永続すると確信が持てる)までは契約しないのが最善と解釈せざるを得ない判決ですが、元からそのような見解である私としては「やっぱり」の感想しか浮かびませんでした。

契約の取り消し

さて、上記判決にも示されている通り、NHKと受信契約を結ぶのは「自由意志」なので、真に自由意志ではなく勧誘員の強引な手法で「契約」してしまった場合は取り消したりできる場合があります。
例えば、NHKとの受信契約は取消しできないか(NHK22)などが参考になると思います。
『消費者は、事業者の不適切な行為(1 不実告知、断定的判断、故意の不告知、2 不退去、監禁)により自由な意思決定が妨げられたこと(1 誤認、2 困惑)によって結んだ契約を取消すことができます』とのことです。

よって、「契約と知らずに」「契約内容の説明がされず」などの事実があれば「故意の不告知」であることが、「しつこかったので」などの事実があれば「不退去」であることが、消費者契約法の取り消し理由に相当します。
なお、受信契約は「特定商取引に関する法律(旧訪問販売法)」の対象ではないため、クーリングオフの対象とはならないようです。

本論

引っ越してきたばかりで「実はラジオは持っていてもテレビを持っていない」などの場合に、ラジオの設置者(ないしその配偶者)が「ラジオでも受信料が必要と誤解」して十分に検討せずに日本放送協会放送受信規約による契約を申し込んでしまうこともあるでしょう。
この場合、ラジオに受信契約が不要であることを説明しなかったのが「故意の不告知」に該当するかは難しいところです。

しかし、この場合は日本放送協会放送受信規約の第4条が味方となります。

日本放送協会放送受信規約

(放送受信契約の成立)

第4条 放送受信契約は、受信機の設置の日に成立するものとする。

2 放送受信契約の種別の変更の日は、その変更にかかる受信機の設置の日またはその廃止に伴う前条第2項の提出があった日とする。

つまり、日本放送協会放送受信規約による受信契約は、「受信機の設置の日に成立する」契約です。そのため、他の法的関係がいかなるものであっても、受信機を設置していないにもかかわらず契約が成立することはありません。
なお、受信機は「家庭用受信機、携帯用受信機、自動車用受信機、共同受信用受信機等で、NHKのテレビジョン放送を受信することのできる受信設備をいう。」と日本放送協会放送受信規約1条2項で定義されていますから、ラジオしか所有していない方は受信機を設置していないことは明らかです。
よって、受信機を設置していないことから契約が成立しないことがわかります。

ただし、このまま放置していますと、既に受信機が設置されていると誤解して契約が成立したと認識しているNHKから受信料を催促されることになります。
そこで、契約が成立しないことを認識次第、NHKに「受信機を設置していないので契約は成立していない」と言う必要があるでしょう。

ちなみに上記の地裁判決について報道されている内容から推測すると、受信契約が拘束力を持つには、単に受信機を設置するだけでなく、さらに自由意志で契約に合意することも必要とされるようです。
契約に合意していない人に対して「放送受信契約は、受信機の設置の日に成立するものとする」と言っても、それはNHKの独り言にすぎないですから、自由意志で契約に合意する必要があるのは当然ですね。

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