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[政治とか/2009]

高速道路政策は政権交代の実験場 / 2009-06-28 (日)

当サイトの最近の更新は、ライトノベルおよびアニメの「涼宮ハルヒの憂鬱」に関する記事ばかり書いていたのですが、幸福実現党の憲法案があまりにも大きな釣り餌であったので、やむなく釣られてしまいました。(幸福実現党が日本国の憲法草案を出してきました参照)
まあ、候補者全員が当選したら与党になる政党から、一度大統領に当選したら選挙無く死ぬまで独裁することが可能である憲法案を持ってこられたら、主権者の一人としては一応反応するのが礼儀かなぁと思ったのでね。
これでアニメとかの記事を書くモードでなくなってしまったようで、今回も政治モードの記事です。

高速道路の無料政策

色々問題はあるものの政権交代するかもしれない民主党ですが、民主党の政策には高速道路の無料化(正確に言うと都心部を除く)があったことを覚えているでしょうか。
みんなが忘れても私は覚えています。

現在は、自公連立政権ですから高速道路の無料化はされていませんが、麻生内閣の経済対策として、ETC普通自動車の通行料金が土日祝日限定で1000円までとなる時限措置が実施中です。これはこれでいろいろな反響を及ぼしていますが、その中には、長距離バス、鉄道、フェリーなどの公共交通機関の運営が困難になると言う話があります。フェリーの減便は既にニュースになっていますし、廃業するフェリー会社まで現れました。
さて、ここで民主党の高速道路の無料化政策を思い出すならば、あることに気づくと思います。例えば、ETC普通自動車の土日祝日限定という限られた条件の場合に高速道路料金が1000円までとなる時限措置を行うだけで減便・廃業となるフェリー業界は、車種・曜日に限らず高速道路料金が無料となる民主党政権下ではさらに厳しい状況に追い込まれることになります。また、長距離バスならば長距離バス自身の高速料金は無くなりますが、長距離バスの高速料金は一人当たりにすると数百円程度でしょうから、その分の料金値下げで自家用車に対抗できるか微妙なところでしょうね。鉄道料金は高速道路が無料になっても何ら変わらないでしょうから、こちらもお客は従来よりは減少するでしょう。

私は、元来「道路は無料であるべき」とする古代ローマ以来の原則は正しいと考えていますから、高速道路も当然無料化すべきと考えていました。しかし、公共交通機関が大打撃を受けるとなれば、その対策についても考えなければならない所です。
しかし、現在の民主党が「公共交通機関の減少やむなし」との覚悟の上で高速道路の無料化を言っているかはよくわからないです。2009年3月25日に民主党『次の内閣』閣議で中間報告として示された民主党高速道路政策大綱では、この点については「5.論点」の最後の一行に「競合交通機関への影響及び交通弱者に対する配慮」と書いてあるのみだからです。

民主党には、現在の高速道路1000円の状態を政権交代した場合の高速道路無料政策の実験場と考えてもらって、今のうちに高速道路無料政策をした場合の公共交通機関への対策を考え、いち早く発表してもらえればと思います。自民党の方でも土日祝日限定で1000円までとする政策で生じたひずみに対応策を打った方が良いと思います。
論点として私が思いつくのは、公共交通機関の存廃について政策としてコミットするか否かが一つです。公共交通機関を存続する方向にするのであれば、例えばフェリー会社に補助金を出す必要があるでしょう。これは一部の自治体が既に始めていますが、普通自動車以外でも高速料金が無料となる民主党はより多額の補助金を必要とするでしょう。当然この補助金を恒久的に払うことになるのであれば、財源も問題となるでしょう。
公共交通機関はそれぞれの自助努力で生き残ってもらうとし廃止やむなしとするのであれば、政策の変更が雇用先が無くなる原因ですから、国として再就職に特段の支援策を示すなどの政策をした方がいいのではないかと思いますね。

まあ、公共交通機関を滅ぶに任せるというのも政策の一つでしょうが、例えばフェリー会社・鉄道などであれば、一度廃止した路線を再度運行するのは難しいこともありますので、できれば残す方向で考えた方がいいのでしょうがどうしたものでしょうかね。


[政治とか/2009]

幸福実現党が日本国の憲法草案を出してきました / 2009-06-21 (日)

宗教法人「幸福の科学」総裁の大川隆法氏創立の幸福実現党が、読売新聞に日本国の新憲法草案を全面広告で掲載しています。大川隆法氏の試案とのことです。

まず、その試案を以下に引用します。

新・日本国憲法

幸福実現党創立者
大川隆法 試案

前文
われら日本国国民は、神仏の心を心とし、日本と地球すべての平和と発展・繁栄を目指し、神の子、仏の子としての本質を人間の尊厳の根拠と定め、ここに新・日本国憲法を制定する。
第一条
国民は、和を以って尊しとなし、争うことなきを旨とせよ。また、世界平和実現のため、積極的にその建設に努力せよ。
第二条
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。
第三条
行政は、国民投票による大統領制により執行される。大統領の選出及び任期は、法律によってこれを定める。
第四条
大統領は国家の元首であり、国家防衛の最高責任者でもある。大統領は大臣を任免できる。
第五条
国民の生命・安全・財産を護るため、陸軍・海軍・空軍よりなる防衛軍を組織する。また、国内の治安は警察がこれにあたる。
第六条
大統領令以外の法律は、国民によって選ばれた国会議員によって構成される国会が制定する。国会の定員及び任期、構成は法律に委ねられる。
第七条
大統領令と国会による法律が矛盾した場合は、最高裁長官がこれを仲介する。二週間以内に結論が出ない場合は、大統領令が優先する。
第八条
裁判所は三審制により成立するが、最高裁長官は、法律の専門知識を有する者の中から、徳望のある者を国民が選出する。
第九条
公務員は能力に応じて登用し、実績に応じてその報酬を定める。公務員は、国家を支える使命を有し、国民への奉仕をその旨とする。
第十条
国民には機会の平等と、法律に反しない範囲でのあらゆる自由を保障とする。
第十一条
国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保障しなくてはならない。
第十二条
マスコミはその権力を濫用してはならず、常に良心と国民に対して、責任を負う。
第十三条
地方自治は尊重するが、国家への責務を忘れてはならない。
第十四条
天皇制その他の文化的伝統は尊重する。しかし、その権能、及び内容は、行政、立法、司法の三権の独立をそこなわない範囲で、法律でこれを定める。
第十五条
本憲法により、旧憲法を廃止する。本憲法は大統領の同意のもと、国会の総議員の過半数以上の提案を経て、国民投票で改正される。
第十六条
本憲法に規定なきことは、大統領令もしくは、国会による法律に定められる。
2009年6月21日読売新聞の幸福実現党広告ページより

前文と16条で仕上がったコンパクトな憲法草案です。
せっかくですから以下で気になる条文を解説してみます。

<前文>
「神仏の心」とかの表記が、起草者が「幸福の科学」総裁であるその立場を思い出させますが、特に具体的な権利義務を定めた規定ではないと思います。常識的に考えれば、この記載を理由としていずれかの神仏を信仰しなければならないと強制されることはないはずです。(起草者の真意は知りませんがね。)

第1条
テラ聖徳太子。

第2条
信教の自由を人間すべてに対して法律による留保なしに認めています。常識的に考えれば、日本国民・外国人にかかわらず、幸福の科学(や他の宗教)に改宗するよう迫られることはないはずです。

第3条
何でこんなねじった条文なのか。
私が同じ内容を書くなら「国民によって選ばれた大統領が行政を執行する」「大統領選挙の詳細・大統領の任期は法律で定める」とするでしょう。
それとも、国民投票とやらが信任投票であるなど、あのように明記しなければならない理由があるのでしょうかね。

第5条
現行憲法9条改正派の幸福実現党としては欠かせない条文ですね。防衛軍を組織することが明記されています。
面白いのは国内の治安維持は警察と明記されていることです。わざわざ明記した趣旨を推察するならば、国内の治安維持には防衛軍が使えないと考えるべきなのでしょうか。

第6条
国会の構成を法律に丸投げしたと言うことは、憲法上は二院制でも一院制でもいいんですな。
それより気になったのは「大統領令以外の法律」との記載があること。
この憲法では、大統領令も法律なんですね。

第7条
大統領令と国会による法律に矛盾があれば、最悪2週間待てば大統領令が優先されるようです。
この憲法案の大統領は、アメリカ合衆国大統領のように議会を通過した法案への拒否権をもっていませんが、そのような権利は不要であることがわかります。なぜなら、大統領令で国会による法律を上書きすれば目的は達せられるからです。

第10条
機会の平等は日本国民に対して法律による留保なしに認めています。
なお、「法律に反しない範囲でのあらゆる自由」を国民に保証されているのですが、第6条によれば大統領令も法律です。
明治憲法で天皇が発布するとされた勅令では権利を制限できず、権利の制限が(議会で承認された)法律でのみ可能であった事と比べてもどうしたものかと思います。(明治憲法第8条では、議会閉会中の緊急時には法律に変わるべき勅令を発布できますが、これは次回開会の議会で承諾無ければ未来に向かって無効とされます。)

第14条
天皇制を含む文化的伝統を尊重することは記載したものの、詳細は法律に丸投げしています。

第15条
過半数とは全体の半数を超えていることです。
よって、「国会の総議員の過半数以上の提案」は表現としておかしくて、「国会の総議員の過半数の提案」または「国会の総議員の半数以上の提案」と書く方がよいでしょう。

まとめ

まあこの憲法案では国会は飾りですね。元首たる日本国大統領が無茶強い。例えば、この憲法案では大統領就任後に大統領の任期を終身にする大統領令(この憲法上は法律)を出せば任期が終身になりますよね。また、国会が法律で大統領の任期を決めようとしても、7条により大統領令が優先されます。
もし幸福実現党が国会で第一党になれたとすれば、国会議員を通してもっと穏便な形で国家の権力を実質上掌握できるので大統領がやたらと強いこんな憲法案は不要ですし、第一党になれなければこの憲法案を憲法にできるわけがないのですからやはりこんな憲法案は不要です。
幸福実現党はいったい何を考えてこんな権力バランスの悪い憲法草案を新聞に掲載したのでしょうか。よくわかりませんね。

もしかしたら、これらの政治的な動きは、幸福の科学内部の事情によって必要とされる行動であって、基本的に外界の我々は関係がないのかも知れませんね。

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1: 信者A (2009/06/22 01:09)
>もしかしたら、これらの政治的な動きは、幸福の科学内部の事情によって
必要とされる行動であって、基本的に外界の我々は関係がないのかも知れ
ませんね。
上から目線のもの言いと分かっててもあえて言わせてください。
まず、幸福実現党宣言と国家の気概をよんでください。
まず、なぜそうしたかという前提を知ってから評論してください。
2: nonki (2009/06/22 22:42)
幸福実現党、幸福の科学、大川隆法氏にはそれぞれ政治にかかわろうとしたそれなりの考えがあり、「幸福実現党宣言」「国家の気概」などの著作にはそれが記載されているのでしょう。それについてよくわからずに「もしかしたら…(中略)…知れませんね。」と言ったのはちょっと乱暴だったかもしれません。
しかし、もしこれらの動きが「外界の我々」に関係があるのであれば、もう少し「外界の我々」にもあうように「権力バランスの取れた」憲法草案を提案して頂けるのではないかとの思いから、上記最後の文のような書き込みとなりました。その点をご理解頂ければ幸いです。
3: mocoyan9 (2009/06/23 05:34)
11条、12条がよくできていて、前文と1条、2条が土台なのにつまらないところにひっかかりますなぁ~
全般的には、法律の専門家らしくよく吟味(自分の知識の範囲内で)されていて前向きに思えます。
4: nonki (2009/06/23 21:15)
「11条、12条」ですか。以下のメモ書きをお返事代わりとさせて頂きたく思いますのでよろしくお願いします。
第11条関連で言えば、予算について憲法に定めていない所がよくわからないのですよ。「外界の我々」の常識では、憲法に記載する必要のある事項と思うのですがね。第12条は、「マスコミ被害防止法」を作って、その第1条に書く内容と言うのであれば良いのかもしれませんが憲法に書かなくてもいいんじゃないかなぁとは思います。
5: 閑院宮ドラネコ (2009/06/24 00:40)
分析、何度も読ませていただきましたが、納得することばかりです。
また様々なコメントに対しても、さわやかに対応をされていて、清々しく感じます。
本当にありがとうございます。代わって御礼申し上げます。
どのような道に進まれるかわかりませんが、どうぞ頑張られて下さい。
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[政治とか/2009]

幸福の科学が幸福実現党を立党したとのこと / 2009-05-26 (火)

宗教法人「幸福の科学」が幸福実現党を立党したとのことです。

政策は、自民党や民主党の右の方とさほど変わりない感じで、憲法9条改正を唱えるような感じです。創価学会を母体とする公明党が自民党や民主党の左の方とさほど変わりない感じであるのと比べると、特徴的であるとは思います。これはそれぞれの団体に熱心に参加している層の政治的思想の違いなのかも知れませんし、単に幸福の科学総裁の大川隆法氏の政治的思想が現れただけなのかも知れません。

当方の選挙区みたいに、公明党・民主党・共産党が立候補して自民党が立候補しない選挙区であれば、保守層の一部を食うかも知れませんが、他の選挙区では大きく集票できるとは考えにくいので、基本的には比例区ねらいではないかと思うのです。
私のように、信者でも何でもない傍観者の立場としては、大川隆法氏が何議席ぐらい取るつもりで幸福実現党設立を考えたかには興味があります。今回は殆ど取れなくても良いと考えているにしても、0議席になってしまうぐらいなら体制を整え次回の総選挙で挑む方がよいでしょうから、少なくとも比例で数議席かは取るつもりなのであろうとは考えています。

今後の推移を拝見させていただこうと思います。


[政治とか/2009]

小沢民主党党首昇天 / 2009-05-11 (月)

小沢民主党党首がとうとう昇天されました。南無~。

というか、辞任のタイミングが面白すぎる。党首討論を13日開催することが決定した直後であるとのこと。もしかして党首討論からの逃亡が辞任の動機?

って、2007/09/12の安倍首相昇天とか、2008/09/01の福田首相昇天と似たようなフォーマットで書いているのはネタなんですが、まあ、秘書が逮捕されてからは党首の地位を保つのが精一杯だったようですよね。
今度は、誰が民主党党首になるのでしょうかね。


[政治とか/2008]

まさしくツンデレ民主党 / 2008-10-10 (金)

私がサイト更新していないあいだに麻生さんが首相になりましたね。

さてそうすると、気になるのは新テロ特措法改正案(給油法案)の行方です。何せ給油法案を通す見通しが立たなかったことが福田首相辞任の真の原因ともされていましたからね。
そうすれば、当然、麻生首相も給油法案を通すのに苦労していると思ったのですが新聞記事によればそうでもないようで……

新テロ特措法:改正案、衆院審議入り 特別委、20日に採決(毎日新聞 2008年10月10日 東京夕刊)
 「野党が過半数を占める参院では否決、衆院で再可決され、24日にも成立する見通しだ。」

給油延長法案、20日に衆院委で採決(日経新聞 2008年10月10日)
 「参院では多数を占める野党が早期採決を容認する姿勢を崩さなければ、給油延長法案は今月下旬までに否決され、衆院再可決を経て成立する方向だ。」

新テロ特措法改正案審議入り 20日に委員会採決(産経新聞 2008年10月10日)
 「補給活動は中断なく平成22年1月まで継続が可能になる。」

って、あれあれ?あれだけ審議を引き延ばして徹底的に反対すると言われていた民主党がデレてきていますよ。「あなたのために早期採決を容認するんじゃないんだからね!勘違いしないでよね!」って感じでしょうか。

新テロ特措法:改正案審議、「早期採決」が波紋 民主内でも「賛成」と誤解(毎日新聞 2008年10月10日 東京朝刊)
 「福田政権下で反対を唱え審議を長期化させたのとは一変し、自ら早期採決を与党側に促す」
 「今回は民主党が審議を短縮しようとするあまり、同党の対案の趣旨説明を自ら省略しようとし、与党の要求で行われるねじれぶりだ。」

私もはじめは民主党が給油法案に賛成することにしたのかと驚きました。それにしても給油法案に反対すれど審議を長期化させないことには変わりません。 まさに一緒にデート(解散)したいがためにデレデレな状態ですね。
「そこがかわいい」か「こりゃけしからん」かは皆さんの判断にお任せします。

 

なんだ。福田さんが総理をやめれば何とかなるじゃん。さすが「あなたとは違うんです」の福田さん。自分自身を客観的に見ることができますからよくわかっています。
でも、そこまで客観的に見るなら、安倍首相退陣の後に福田さんが自民党総裁に立候補しなければよかっただけのような気が……

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1: nonki (2008/10/28 22:14)
最近解散しない気配が濃厚になったこともあり、うまくいかない感じになってきたようですね。
まあ、給油法案を通すのに苦労するのは福田総理の頃から予想されていたことで、元に戻っただけですが。
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