今日は、週刊アカシックレコードの文部科学省「履修不足」の陰謀!?の記事が、おそらくは若さ故の勘違いを元に構成されていることを指摘します。
この記事では、「私立灘高校の生徒全員が学校創立以来ずっと(?)必修科目の一部である家庭科を履修させていなかった」(要約)という疑いを元に記事を組み立てています。
そして、灘高校出身である教育再生会議座長の野依良治氏について、『「必修逃れ」で高校を卒業した者であり、座長を辞めるか、文科省の言いなりになるかの選択肢しか残されていない』(要約)と指摘しています。
確かに、教育再生会議座長が必修科目を履修せずに卒業していれば、教育再生会議座長としての政治的立場が悪くなる可能性はありますし、教育再生会議全体の政治的立場も悪くなるかもしれません。
しかし、この記事を見て素直に納得するのは、一定以下の年齢の人だけであると思います。
なぜなら、平成3年平成6年度以前に高校へ入学した場合は、家庭科は女子だけの必修科目だったからです。(*)
よって、平成3年平成6年以前に男子校である灘高校へ入学した野依良治氏は、当然家庭科を履修する必要はなかったのですから、以上の記事中の推論は成り立ちません。
(*)といいつつ、過去の学習指導要領をよく調べると、そもそも野依良治氏が灘高校に在籍していた昭和20年代後半頃には、家庭科は男女とも文部省としては必修科目にしていなかったようです。まあ、家庭科を履修する必要はなかったという結論に違いはないようですが。
追記(2006-11-11)
学習指導要領の解釈を間違えてたので、文中の平成3年を平成6年に修正。