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NHK 受信料・受信契約に関する記事一覧

[NHK]

衛星セーフティネット参加者のNHK受信契約について / 2009-08-12 (水)

本記事では、書籍「放送法を読みとく」の記述を元に、NHK受信契約について考えます。(参考:当サイト内の「放送法を読みとく」紹介記事

受信料の対象は、NHKの放送を受信できる受信設備である。テレビのチューナー付きパソコンも受信料の対象となる。携帯電話のワンセグも、地上デジタルテレビジョン放送の1セグメントを利用した放送であり、その受信機は受信料の対象である。他方、2009年度から地上デジタルテレビ放送の放送衛星利用による難視聴解消(「衛星によるセーフティネット」)が始まる。NHKの地上テレビ(総合・教育)も放送されるが、実施主体は社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)であり、NHKも民放も番組提供者(6条の再放送)に過ぎない。NHKの放送でない以上、衛星セーフティネットの受信者は特別契約による受信料しか払わなくてよいことになるが、特段の措置はとられていない。

放送法を読みとく 第3編Ⅱ 258-259ページより引用

ちなみに、「放送法を読みとく」の日本放送協会に関する第3編Ⅱは、NHK勤務時に主として放送制度を担当していた山本博史氏が執筆されています。(1950年生まれ。1975年に東京大学法学部を卒業してNHKに勤める。NHKでは主に放送制度を担当し、2005年に総合企画室業務主幹で退職した。2009年現在はメディア評論家、上智大学非常勤講師、専門はコミュニケーション制度論。)
なお、「放送法を読みとく」は、大阪大学大学院高等司法研究科の鈴木秀美教授、専修大学文学部の山田健太准教授、立教大学社会学部メディア社会学科の砂川浩慶准教授のお三方が編者として纏められたものになっております。

受信料の対象は

まずは、上記引用部から受信料の対象について見ていきたいと思います。
NHKの放送を受信できる受信設備と記載し、テレビのチューナー付きパソコン・携帯電話のワンセグなども取り上げていますが、実はケーブルテレビは対象と記載されていません。2009年7月に出版している本ですから、当然ケーブルテレビが対象になるかどうかの議論があることは承知のことと思いますので、特に受信料の対象となるかどうかを明記して頂ければさらにありがたいのですが、この場合は記載されていない原因が受信料の対象外であるからと考えるのが正しいと思います。

なぜなら、引用部分の後の方に記載している衛星セーフティネットに関する記述では、法律上その放送を行うのが誰かまでを追求した上で受信料の対象となるかどうかを判断しており、この考えを敷衍すればケーブルテレビも受信料の対象外となるのは明らかであるからです。
このようなことから、まずは衛星セーフティネットに関する記述の詳細を見ていきます。

衛星セーフティネット参加者の受信契約について

衛星放送は法的に結構ややこしいので、一つずつ段階を追って説明していきます。

通常の衛星放送受信時は、以下の図1の通りとなります。
ここで、各家庭で受信するときには以下図1でわかるようにB-SAT(放送衛星システム)のTV放送(*2)を受信します。これはNHKの放送ではないので受信料を払わなくて良いかと言えばそうではありません。
なぜなら、NHKの委託により行われる受託国内放送であるB-SATのTV放送(*2)は、放送法第2条の2第2項2号にて「協会の放送(協会の委託により行われる受託国内放送を含む。第三十二条第一項本文において同じ。)」とされているため、放送法32条1項本文の「協会の放送」に含まれるからです。

ところが2011年のアナログ放送終了後も地上デジタル放送が受信できない世帯に対して衛星を利用した再送信を行う計画である衛星セーフティネットは、以上とは事情が異なります。この場合は、以下の図2の通りとなります。
ここでは、各家庭で受信するときには以下図2でわかるようにB-SAT(放送衛星システム)のTV放送(*5)を受信します。これはNHKの放送ではありません。また、B-SATのTV放送(*5)はDpa(デジタル放送推進協会)の委託により行われる受託国内放送であり、協会の委託により行われる受託国内放送ではありません。また、DpaのTV放送(*4)は、NHKのTV放送(*3)を放送法6条により再放送したものですので、番組内容はNHKのものと一致しますが、NHKは単に番組を提供しているにとどまりますのでDpaのTV放送(*4)はNHKの放送ではありません。結果として、放送法32条1項本文の「協会の放送」ではないことになります。
協会の放送でないことから、衛星セーフティネットについては受信料を支払う必要はありません。

ただし、衛星セーフティネットを受信できる設備を持っている者は、通常の衛星放送も受信できることから、NHKのBS衛星放送に関する受信契約を締結する必要が出てくるでしょう。
結果として、衛星セーフティネットの対象者が日本放送協会放送受信規約にて受信契約を締結した場合は、NHKの地上波TV放送と同一の番組(正確には東京地方の番組)を見ることができるのですが、NHKの地上波TV放送は受信できないことから、地上系によるテレビジョン放送の自然の地形による難視聴地域において衛星系によるテレビジョン放送のみの受信する場合の料金体系である「特別契約」になり、料金もそれに従ったものとなります。

これが、上記引用部分の「他方」から始まり引用部分最後までの記述を丁寧に解説したものです。

上記の議論をケーブルテレビに応用すると

ケーブルテレビに加入した場合は、以下の図3の通りとなります。
ここでは、各家庭で受信するときには以下図3でわかるようにケーブルテレビ局の有線放送(または有線役務利用放送)(*7)を受信します。これはNHKの放送ではありません。またケーブルテレビ局の有線放送または有線役務利用放送(*7)は、NHKのTV放送(*6)を有線テレビジョン放送法13条(または電気通信役務利用放送法12条)により再送信したものですので、番組内容はNHKのものと一致しますが、NHKは単に番組を提供しているにとどまりますのでケーブルテレビ局の有線放送(または有線役務利用放送)(*7)はNHKの放送ではありません。結果として、放送法32条1項本文の「協会の放送」ではないことになります。
協会の放送でないことから、ケーブルテレビについては受信料を支払う必要はありません。

よって、ケーブルテレビを通じてNHKの番組を見ている者は、協会の放送を受信不可能な受信設備を設置していることになり、放送法第32条1項による受信契約の締結義務は発生しません。(別途アンテナも立て、放送も受信できるようにしている場合は除きます。)

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[book/放送・有線放送]

放送法を読みとく / 2009-08-12 (水)

本記事では、「放送法を読みとく」と言う書籍を紹介します。
まず本記事の所属するbookカテゴリは、本を読んで簡単なメモを書いていくカテゴリです。本記事はそのbookカテゴリの19冊目となります。

「放送法を読みとく」は、はしがきによると30・40歳代の研究者・実務者で組織した「放送法研究会」の成果とのことです。12人の執筆者が分担して執筆した書籍であり、それぞれの執筆者が分担部分の責任を持つが、打ち合わせにより全体としての統一を図り体系書としての体裁を整えているそうです。

第1編・第2編の内容は、最後に記載している目次を見てもらえればわかるような項目についてなのですが、本書は基本的に放送の自由に関する興味関心が根本にあり、そのような方向から放送法を俯瞰したような書籍として仕上がっています。
放送の自由と言っても、国に放送内容について口出しされない自由を意味する「国家からの自由」だけではなく、放送事業者が偏った放送をした場合に国家が介入することで情報多様性を目指す「国家による自由」をも視野に入れた論考をしています。
もちろん、「国家による自由」は制度設計をきちんとしなければ単なる言論弾圧の手段となる可能性があることも触れられています。

第3編は、放送法の逐条解説です。執筆分担を見ると、第3編Ⅰ(1条、3条、3条の2)を書いている成城大学法学部の西土章一郎准教授以外の方は、全て日本民間放送連盟またはNHKに勤めたことのある方ばかりで、実務者に書いて頂いたのだろうと思います。

他にも「放送法を読みとく」の内容で触れたいことはありますが。それは別の記事に書くことにします。

再読する必要は?

放送法の逐条解説は、なかなかいいものであると思います。私にとって、必要に応じて読む価値がある本です。


タイトル: 放送法を読みとく
著者: 鈴木 秀美・山田 健太・砂川 浩慶=編著
出版社: 商事法務
発売日: 2009年7月
定価: 3300円(+税)
ISBN-13: 978-4-7857-1664-6
目次: 第1編 放送を取り巻く現状と系譜
 I 放送とは何か--「放送」概念の変遷…………2
 Ⅱ 日本の放送実態…………16
 Ⅲ 放送法制の変遷…………34
 Ⅳ 放送行政の変遷…………60
第2編 放送法制の全体像
 I 放送の自由・総論…………92
 Ⅱ 放送の自由・各論--番組編集準則を巡る憲法論…………105
 Ⅲ 免許制度…………115
 Ⅳ 放送を取り巻く諸制度…………130
 Ⅴ 規制機関の国際比較…………153
第3編 放送法解説
 I 総則(第1章)・放送番組の編集等に関する通則(第1章の2)…………172
 Ⅱ 日本放送協会(第2章)…………212
 Ⅲ 放送大学学園(第2章の2)…………280
 Ⅳ 一般放送事業者(第3章)…………282
 Ⅴ 受託放送事業者(第3章の2)・委託放送事業者(第3章の3)…………290
 Ⅵ 認定放送持株会社(第3章の4)…………296
 Ⅶ 放送番組センター(第4章)…………303
 Ⅷ 雑則(第5章)・罰則(第6章)…………306
第4編 資料
 I 放送法に関係する法令とそのURL…………318
 Ⅱ 放送普及基本計画…………320
 Ⅲ 電波法関係審査基準…………322
 Ⅳ 地上デジタルテレビジョン放送局の免許及び再免許方針…………323
事項索引…………331

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NHK受信料・受信契約に関する記事一覧

この記事は、当サイトの内にあるNHK関連記事の一覧です。以下のコメントは、基本的に2011年の放送法改正前の放送法を前提として記載されていますので、現状とそぐわない可能性がありますが、あらかじめご承知おき願います。
なお、2010年の「放送法等の一部を改正する法律案」に関する記事一覧は別記事としました。

今までケーブルテレビで受信契約を結ぶ人がいたのは何故? (2011/11/06)
2011年6月30日の放送法全面改正以降、初めての記事となります。新しい放送法を研究する気もあまりないので、もうすぐネタ切れになると思います。

NHK受信料の支払い有無はNHKに意見できるかどうかとは関係がない (2010/09/20)
主権者をなめるなよという記事です。違うか。

日本放送協会経営委員会議事録より (2010/04/03)
日本放送協会経営委員会議事録より「衛星セーフティネット参加者のNHK受信契約」と「CATVにおける受信契約の締結義務について」関連について見てみました。議事録中ではケーブルテレビでも「受信契約の締結義務があると解されています」という論理を無視した主張を展開しています。まあ、今更ケーブルテレビ受信者から受信料を詐取してきましたと言えるわけもないのですが。

要するに受信契約を締結する必要はあるのでしょうか

ワンセグ携帯とNHK受信料の支払いについて
個人所有の携帯電話がワンセグ携帯であった場合に、NHKの受信料はどのような扱いになるのかを記載しています。受信料を払う必要があるのは、テレビ放送の受信を目的としてワンセグ携帯電話を購入・使用(設置)した場合に限ります。

会社支給のワンセグ携帯とNHK受信料の支払いについて
会社から支給された携帯電話がワンセグ携帯であった場合、その携帯電話を支給された社員は受信契約を締結する必要はありません。電話の所有者(設置者)が会社である以上、NHKと受信契約を締結すべきかどうかは会社の問題です。

テレビ放送受信可能な自動車とNHK受信契約・受信料について
車にテレビが付いている場合に、NHKの受信料はどのような扱いになるのかを記載しています。受信料を払う必要があるのは、テレビ放送の受信を目的として車載テレビを取り付け(設置)した場合に限ります。

マンションにおけるNHK受信契約・受信料について
マンションにおいては、多くの場合にNHKの受信料を払う必要はありません。

(2chの書き込みより)ワンセグは設置されているのか? (2010/06/19)
2chの書き込みで、放送法2条2の2の6号によれば「携帯して使用するための受信設備は設置されていない」からNHKと受信契約を締結する必要はないという議論があることを紹介します。

一戸建てでアンテナ・テレビを設置した者は、現行法上は受信契約を締結する必要があります。なお、一度受信契約を締結すると、司法の力で契約の履行を強制されることとなりますから、受信機器設置者は自身の納得できる条件で受信契約を締結できるようにNHKと交渉することをおすすめします。以下の「受信契約の内容に関する記事一覧」を参考にしてください。

なお、ケーブルテレビ加入者はNHKの受信料を払う必要はありません。以下の「ケーブルテレビとNHK受信料」を参照してください。

ケーブルテレビとNHK受信料

ケーブルテレビとNHK受信料
ケーブルテレビ(CATV)での受信契約について調べたところ、CATV加入者が通常NHKの受信料を払う義務がなかったので、それについて記載します。

ケーブルテレビでのNHK受信契約締結者の義務について
日本放送協会受信規約により受信契約を締結後、ケーブルテレビとなった皆さんは、日本放送協会受信規約第9条の義務ですので、受信契約を破棄する必要があります。

ケーブルテレビでNHKと受信契約を「締結」したら?
ケーブルテレビで法律上義務がないにもかかわらず、日本放送協会受信規約により受信契約を「締結」した場合は、日本放送協会受信規約第4条により、受信契約は成立していません。

NHKを受信しなくて済む受信機は存在しますか?
おまけ2に要注目。政府は質問趣意書への回答で、(再質問入れて)3回ほどケーブルテレビが受信契約の対象であるかについて聞かれていますが、3回とも返答をさけています。 これは「契約義務は存在しない」と考えるべきなのでしょうかね?

(改訂版)NHKの受信料制度の意図
ケーブルテレビでNHK受信料が不要なのは、単に文言上の問題ではなく、制度そのものの根本にかかわる理由があると考えます。

有線放送はやはり放送でないのか
あれこれ書籍を調べ、「有線放送が放送ではないこと」を確認しました。どうも、ケーブルテレビ加入者がNHKの受信料を支払う必要はないようです。

ケーブルテレビと受信料に関するNHKの主張の誤り
東京大学法学部の塩野宏教授が執筆した「放送法制の課題」の記述から、ケーブルテレビ受信者はNHKの受信料を払う必要がないと解釈すべきと考えます。

NHK受信料は拒否できるのか
筑波大学大学院 人文社会科学研究科 憲法学専攻 土屋英雄教授か執筆した「NHK受信料は拒否できるのか 受信料制度の憲法問題」を紹介します。この書籍では、ケーブルテレビ受信者がNHKと受信契約を締結する必要がなく、当然受信料も払う必要がないことを指摘しています。

衛星セーフティネット参加者の受信契約について
書籍「放送法を読みとく」では、ケーブルテレビについては受信料の対象とはされていませんので紹介します。また、2011年のアナログ放送終了後も地上デジタル放送が受信できない世帯に対して衛星を利用した再送信を行う計画である衛星セーフティネット参加者の受信契約について記載しています。

現時点でのまとめ

現時点において、ケーブルテレビ受信者がNHKと受信契約を締結する必要があるとしている学者さんは一人もおられません。逆に、ケーブルテレビ受信者がNHKと受信契約を締結する必要はないとする学者さんはいます。
これをふまえると、ケーブルテレビ受信者がNHKと受信契約を締結する必要はないと考えるのが正しいと思います。

(少なくとも当サイトの[放送・有線放送]カテゴリにある本には記載されていませんでした。もし、ケーブルテレビ受信者がNHKと受信契約を締結する必要があるとする学者さんがいればすぐさま調査したいので一報願います。)

受信契約の内容に関する記事一覧

そもそも受信契約とは
NHKとの受信契約は、法律の定めるところによれば、日本放送協会放送受信規約以外の条項によって契約することもできることを確認しています。

NHKで法律違反といえば
日本国内の人々の声をNHKに届ける方法は、やはり「受信契約」でしょう。自己の意見を届けるのに必要な受信契約を各自提案するとよいでしょう。

NHK受信契約の成立について
東京地裁の判決について簡単に触れます。その後で、日本放送協会放送受信規約による受信契約は、日本放送協会放送受信規約4条により受信機を設置する時点までは成立しないことを指摘します。

その他NHKに関する記事一覧

NHKの受信料制度
ここでは、NHK海老沢会長(当時)の出演した「NHKに言いたい」の感想と、受信料制度の問題点、NHK制度上の問題点を指摘しつつ、受信料不払い以外の方法を考えるべきとほのめかしています。

NHK受信料不払い者への法的措置について

受信料制度はそろそろ根本的に変えた方がいいと思うのですが?

NHKに対する今後の対策は?

「共同受信用受信機」について

NHKが来られました
どうも、この記事を書いたころに我が家にNHKが来ていたようですね。

NHKの集金がきやがった!!!
当サイトの記事「ケーブルテレビとNHK受信料」は、2chの名の知らぬ方の役に立っているそうです。

NHK受信契約(受信料)と消費者団体訴訟制度
NHKは「消費者契約法に違反する契約や勧誘を行う事業者」ではないのですかねぇ。

NHK衛星受信料訴訟 地裁は男性の請求を棄却


[日記/2009/August]

涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識7 / 2009-08-05 (水)

さて、本記事は、涼宮ハルヒの憂鬱・その元ネタかも知れない作品などに関する無駄かもしれない知識を書き連ねていく無駄知識シリーズの第7段となります。
なお、涼宮ハルヒ無駄知識シリーズの一覧は、「涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識シリーズの記事一覧」をクリックしてください。

今回は、「無駄知識シリーズの目指すところ」と「涼宮ハルヒの溜息と超革命的中学生集団」の2つの記事がありますが、「涼宮ハルヒの溜息と超革命的中学生集団」の方には、涼宮ハルヒの溜息のネタばれがあります。
まあ、アニメの1期第一話「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」をちゃんと飛ばさずオープニングからエンディングまで見た人なら知っていることです。なので、アニメ見た人は小説見ていなくても気にしなくていいと思います。

無駄知識シリーズの目指すところ

初回に書いておくべきことだったのかも知れませんが、無駄知識シリーズの目指すところについて少し記載します。

元地元民として気づいたことや、平井和正ファンだったから気づいたこと、すなわち涼宮ハルヒシリーズを見る上では知らなくてもよいのですが、知っているとニヤリとできると言ったところを書いていくシリーズです。
特に、涼宮ハルヒシリーズと平井和正作品の結びつきは、たまにホンの一部についてネット上に記載されていることはあれど、まとまった形で取り上げているサイトがないので、当サイトで取り上げていきたいと考えています。

私は、平井和正作品の影響が見られるのは、谷川流先生がわざと仕込んでいると思っています。しかし、大きく取り上げられる状態でない現状は、言うならば、庵野秀明監督が不思議の海のナディアで宇宙戦艦ヤマトのネタを山ほど仕込んだのにファンが全員スルーしているような状態であるように思っているのです。
つまり、当サイトで取り上げるのは、「気づいた以上は取り上げないとダメだろう」と言う半ば義務感のようなところがあります。

涼宮ハルヒの溜息と超革命的中学生集団

涼宮ハルヒの溜息をアニメなどの前提知識なしに読んだ人であれば、最後のオチに「そう来たか」とびっくりしたはずです。その直前に古泉がある提案をするのですが、こちらも「それはないだろう」もので、さすがに採用は見送られたようです。

キョン発案という最後の手は……
「この物語はフィクションであり実在する人物、団体、事件、その他の固有名詞や現象などとは何の関係もありません。嘘っぱちです。どっか似ていたとしてもそれはたまたま偶然です。他人のそら似です。(以下略)」

ええと。
過去にもわたし的 涼宮ハルヒの解題などの記事で「涼宮ハルヒシリーズは平井和正先生の幻魔大戦のオマージュではないか」と考えていましたので、今回は平井和正先生の「超革命的中学生集団」から見えてくるところを探ってみます。

当サイトで2009年7月22日に紹介した超革命的中学生集団の紹介記事を読んだ方なら薄々関連に気づいているかもしれませんが、「超革命的中学生集団」のはじめの方には「この物語はフィクションである。類似する人物、団体、事件、宇宙人等が存在しても、すべて偶然の一致である。」などと書いています。
つまり、「超革命的中学生集団」のはじめの記述が、涼宮ハルヒの溜息のオチ、そして作中作の「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」をフィクションと宣言する部分の元ネタなのです。

また、作中作の「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」は、登場人物に現実世界の人物(我々から見ると涼宮ハルヒシリーズの登場人物)の名称をカタカナに変える程度でほぼそのまま使用し、配役もハルヒが考えた以上に現実そのままという作品です。
「超革命的中学生集団」は、(我々から見ても)現実世界の人物の名称を旧字体を新字体に変更する程度でほぼそのまま使用したハチャハチャSFです。主人公・横田順弥(ヨコジュン)は、作中では天才マンガ家になります。ちなみに、現実の横田順彌氏は、その後SF作家になりますが、ハチャハチャSFの第一人者になると言うおまけが付きます。
「涼宮ハルヒの溜息」作中作の「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」における登場人物と「現実世界」の人物との関係は、「超革命的中学生集団」の影響があると見ていいのではないでしょうかね。

ちなみに「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」の内容は、「超革命的中学生集団」と言うよりは「幻魔大戦」そのものではないかと思います。当然、こう見た場合、古泉一樹が東丈の役をしているのは間違いなく、他の配役もわたし的 涼宮ハルヒの解題を参考にしてもらえればよいのではないかと思います。


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涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識シリーズの記事一覧

この記事は、当サイトの特集記事である「涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識シリーズ」の一覧です。本シリーズは、涼宮ハルヒの憂鬱や、その元ネタかも知れない作品などに関する無駄かもしれない知識を書き連ねていくことを目的としてます。

無駄知識シリーズ 記事一覧

涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識その1 (2009/05/25)
栄えある無駄知識シリーズ初回。「光陽園駅前公園の場所に関する新説?」、「東中学校と交通安全について」、「涼宮ハルヒと小連体」の3つのネタを披露。

涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識その2 (2009/05/31)
「光陽園駅前公園の続き」、「涼宮ハルヒの憂鬱のカバー?」の2つのネタを披露。

涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識その3 (2009/06/14)
「県立北高の入試方式・総合選抜の研究」、「満池谷墓地について雑記」、「学校を出よう! と こちら幽霊探偵局」の3つのネタを披露。

涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識その4 (2009/06/17)
「児童書・涼宮ハルヒの憂鬱」、「涼宮ハルヒの憂鬱 と きまぐれオレンジロード」の2つのネタを披露。

涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識その5 (2009/07/05)
「エンドレスエイトが終わらない」、「涼宮ハルヒの退屈はなぜ野球なのか」、「エンドレスエイト 元ネタ?」の3つのネタを披露。

涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識その6 (2009/07/19)
「長門有希のマンション・背景」、「長門有希とアンドロイドお雪」の2つのネタを披露。

涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識その7 (2009/08/05)
「無駄知識シリーズの目指すところ」、「涼宮ハルヒの溜息と超革命的中学生集団」を記載。

涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識その8 (2009/11/01)
「光陽園駅前公園ついに見つかる?」、「涼宮ハルヒの消失」を記載。

涼宮ハルヒの憂鬱 - 無駄知識その9 (2010/01/24)
当サイトで2005年に涼宮ハルヒの消失に出てくるコンビニの位置を推測した記事の答え合わせ。後は今年の目標とか。

他 当サイト内の関連記事一覧

以下は、当サイトの無駄知識シリーズ以外の涼宮ハルヒの憂鬱の小説・アニメなどに何らかの関係があるだろうという記事です。

おまけで買った本が面白いのですよ (2005/09/24)
初めて涼宮ハルヒを見た経緯。涼宮ハルヒの陰謀をはじめに読んだ。本当に偶然。

消失のコンビニ推測 (2005/10/02)
日付からもわかるのですが、アニメ化前の記事です。

涼宮ハルヒシリーズで読書感想文 (2006/08/29)
エンドレスエイトで読書感想文を書けば、夏休みの宿題で夏休みの宿題自身に言及できるというアイディアがすべての記事。でも読書感想文自体は後で消しました。後ほど、「エンドレスエイトで読書感想文」(下に説明あります)で読書感想文を書き直た上で掲載しています。

わたし的 涼宮ハルヒの解題 (2007/04/28)
SF作家・平井和正先生の幻魔大戦(小説)と涼宮ハルヒシリーズの関連について思うところを書いた記事。
反響が薄かったのでどうしたものかと思っていたが、おそらくは年代の違いで両作品を知っている方自体が少ないのだろうと。

法人化なんか論外よ (2007/09/23)
上記の続き。

エンドレスエイトで読書感想文 (2009/07/26)
エンドレスエイトで読書感想文を書けば、夏休みの宿題で夏休みの宿題自身に言及できるというアイディアに着目しているのは、上記の涼宮ハルヒシリーズで読書感想文と同じです。もう一度別記事として出した、それも元来私の嫌いな読書感想文もどきまで書きなおしているのは、アニメ版エンドレスエイトのあまりにものループっぷりにむしゃくしゃしたためですよ。

「ザ・スニーカー」2009年10月号 (2009/09/13)
谷川先生、特別寄稿を書いている暇があるなら小説の続き書いてください(笑)。

嘘映画のお知らせ (2009/09/27)
幻魔大戦 と 涼宮ハルヒシリーズ をミックスした夢の映画(ただし嘘映画)を紹介。